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モバイル・メディア実践「メルまんだら」
林田真心子・安斎利洋/平成14〜16年度科学研究費補助金基盤研究(B)(2)研究成果報告書/2005年

自律的なメディア・コミュニケーションを紡ぐ
1.実践の意図

1-1.ケータイ・メディアの可能的様態
 日本における携帯電話の普及状況を各国と比較してみると、そこにはいくつかの特徴的な傾向が見られる。第一に日本では、第3世代携帯電話の普及が急速に進行している。

2004年現在、サービス開始以来二年半を経て、全契約数8000万強のうちすでに1700万近くが第3世代携帯電話に占められている。第二の点として、第3世代化による高機能化にともなって、携帯電話の多機能化が急速に進展していることが挙げられる。インターネット接続サービスの契約数はすでに7000万近くに達し、全契約数に占めるその比率89.5%は世界第一位である(1)。しかし、携帯電話の高性能化、多機能化が進む一方で、社会におけるその使われ様は、ある一定のパターンの枠からはみ出すことはなく、拡がりをもって変容しているとはいえない。
 たとえば、ケータイを介してなされるコミュニケーションについてみてみる。ケータイを介したコミュニケーションは、現在、一対一のプライベートな通信を前提とする場合が多い。家族やオフィスで複数の成員に共有されることの多い固定電話に比べると、基本的に個人の所有物であるケータイによるコミュニケーションは、よりプライベートでインティメートな関係性のなかに閉じていく傾向が強いと考えられる。また、通話機能だけでなく、メールやカメラをとっても、通常のケータイのディスプレイはとても何人かで同時に共有できる大きさではない。一方で、映像、音楽、ゲームなどケータイを受信端末として提供される商用の配信サービスは、現在、ケータイを介したコマーシャルでビジネスなコミュニケーションの回路を急速に開きつつある。ケータイをめぐるコミュニケーションの様態は、一方にプライベートでインティメートな極があり、他方にコマーシャルな極があるというかたちに二極化されているといっていい(図1参照)。

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