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「シニアのための超おとなワークショップ」
村田麻里子・塚瀬三重・三河内彰子/平成14〜16年度科学研究費補助金基盤研究(B)(2)研究成果報告書/2005年

メディアとしてのミュージアムとコミュニケーションの可能性
1.本プロジェクトの目的

 本プロジェクトは、「メディアとしてのミュージアム」の研究の一環をなすものである。具体的には、ミュージアムの資源を活用したメディア・リテラシーのワークショップを、当時東京大学総合研究博物館小石川分館で開催中の「MICROCOS-MOGRAPHIA——マーク・ダイオンの『驚異の部屋』」(以下、「ダイオン展」)を題材にシニアの人々を対象として行なった。

あえてミュージアムが今まで目を向けてこなかったシニア層を対象とすることによって、ミュージアムとシニアの間に新たな回路をつくり、ミュージアムというメディアのコミュニケーションの可能性に着目すると同時に、メディア・リテラシーが幅広いテーマや層を取り扱うことで厚みのある実践になりうることを示すことが本プロジェクトの目的である。

2.ミュージアムとシニア

 日本では、第一線を退いた高齢者を「社会を退いた」人々とみなす傾向がある。ミュージアムにおいても例外ではない。ミュージアムは、本来だれもが年齢に関係なく訪れ、楽しめるものであるはずだが、よくみると高齢者の積極的な受け入れという視点が抜け落ちている場合が多い。
 例えば、最近日本でも子供や親子を対象としたワークショップの開催がふえ、展示室にも備え付けの子供用ワークシートを用意するなどの工夫がみられるようになった。その目的は、子供たちにミュージアムや展示品への関心や理解を喚起し、より一層楽しいものとすることである。しかし、このような子供たちへの熱心な呼びかけとは裏腹に、高齢者への対応となると、車椅子を置くなどにとどまり、積極的な取り組みはほとんどみられない。これはすなわち、高齢者をミュージアムのメッセージを届ける対象として取り込んでいないことを示すものである。

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