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メル・リフレクション:5年間の軌跡をたどる mell シンポジウム2006
見城武秀/2006.3

メルプロジェクト・シンポジウム2006:メルプロジェクトの播種(はしゅ)
メル・リフレクション「5年間の軌跡をたどる」

「カンブリアン」システムと映像素材を活用し、メルプロジェクト過去5年の軌跡をたどりました。アカデミーショーのように(!)、さまざまなプロジェクトの関係者が入れ替わり立ち替わり壇上に現れて報告をしました。
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 上田信行さんと林直哉さんの軽妙な司会ではじまったシンポジウム2日目の「メル・リフレクション:5年間の軌跡をたどる」。メルの出発点となった記念すべき2000年の準備合宿から2005年度までの主立ったプロジェクトが、そのときどきの模様を収めた写真を背景に、つぎつぎと紹介されていきます。

 限られた時間の中で2人1組の登壇者が繰り広げる掛け合いは、プロジェクトの報告というより、それ自体が会場を巻き込んだパフォーマンスのよう。2001年に開かれた1回目のシンポジウムの記憶に照らしたとき、この5年間メル関係者が着実に蓄えてきた「力」を実感せずにはいられません。

 こうして全体を振り返ることで、メルプロジェクトを貫く2つの契機が浮かび上がってきたように思います。1つ目は方法論としてのワークショップ。参加者を巻き込み、参加者の間に新しい関係を生み出すための契機としてワークショップという方法が有効であることを、多くのプロジェクトが示しました。

 これと密接に結びついるのが、自明視された日常に揺さぶりをかける姿勢。送り手の体験を通じて受け手としての自分を、異文化についてもっているイメージを通じて自文化を振り返るといったように、こわばりがちな日常を揉みほぐすためのさまざまな工夫が仕掛けられてきました。

 こうしてメルプロジェクトが各地に播いた種は、今後どのように成長していくのでしょうか。プロジェクト紹介に引き続きプロジェクトを振り返る発表をおこなった呉翠珍(ソフィア・ウー)さんは、メディア・リテラシーをめぐって模索を続ける人びとに対し、メルがガイドとしての役割を担ってきたと述べました。

 5年間の活動を通じてガイドの役割を果たし終えたいま、メルが播いた種から育つ樹に求められるのは、おのおの自力航行する船を助ける灯台としての役割なのかもしれません。たとえ新たな活動はおこなわないとしても、メルが示した方向性が急速に古びることはないでしょう。メルが終わってしまうのはちょっと寂しいけれど、播かれた種の生命力を信じつつ、私たちもそれぞれの道を歩んで行こう。そんな風に感じさせられたリフレクションでした。

■イベント概要
・開催日時:2006年3月
・場所:東京大学本郷キャンパス法文2号館
・主催:メルプロジェクト
・司 会:上田信行(同志社女子大学)、林直哉(長野県梓川高等学校)
・登壇者:山内祐平、水越伸、竹内希衣子・市川克美、内川奈津子、中森謹重、黄朝煕、宮尾久枝、今村正大、清水宣隆、春田亮介、中村純子、村田麻里子、坂田邦子、ペク・ソンス、酒井俊典、藍川利一、井上史子、佐藤翔子、崔銀姫、小川明子、長谷川一、呉翠珍/Sophia WU、劉雪雁

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