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市民メディアとデジタル・テクノロジー mell公開研究会2005.1
小川明子/2005.02

「市民メディアとデジタル・テクノロジー:北欧と日本、メディアの夢」

2005年1月のメルプロジェクト公開研究会は、「メディア・プロデュー
サー/アーティストであるアスケ・ダムさんをお招きし、「市民メディアと
デジタル・テクノロジー」をテーマにおこないました。貴重なものもふくめ、
たくさんの映像資料をもとにすすめられたアスケさんのお話は、参加者の興
味関心、ときおり笑いを集めるたいへん刺激的なものでした。なごやかなが
らも、当日お集りいただいた65名もの参加者がさまざまに思いをめぐらせる
濃密な3時間でした。

2005年1月メルプロジェクト公開研究会

○ 日 時 1月22日(土)午後3:00〜6:00
○ 場 所 東京大学本郷キャンパス情報学環アネックス2F会議室
○ 参加者 約65名
○ テーマ 「市民メディアとデジタル・テクノロジー:北欧と日本、メディアの夢」
     Citizen Media and Digital Technologies: Dreams of Media
                   in Nordic Countries and Japan
○ 報告者 アスケ・ダム(メディア・プロデューサー/アーティスト、
            東京大学大学院情報学環国際研究員)
○ コーディネーター
      小川明子(愛知淑徳大学現代社会学部専任講師)
      水越伸(東京大学大学院情報学環助教授)
○ コメンテーター
      草原真知子(早稲田大学文学部教授)
○ 概 要
 2005年初の公開研究会は、デンマーク出身のメディア・アーティスト/
プロデューサーであるアスケ・ダム氏にこれまでのユニークな経歴をご紹介
いただきながら、「メディア」「社会」「アート」についてお話をいただい
た。
 ダム氏はまず、70年代に行われた東京・多摩地区や奈良・東生駒地区での
大規模なニューメディア・プロジェクトや草創期のケーブルテレビ自主放送
の様子を貴重なドキュメンタリーフィルムから抜粋して見せてくれた。そし
てインドの開発衛星テレビの様子、ヴィデオ・ネーション,、デジタル・ス
トーリーテリングなどBBCが行っている市民との連携プロジェクトなど、
その豊富な経験から得られた世界のユニークな「人々とメディアのありかた」
を紹介していただいた。同時に、メディアでの人々の「表現」が、著作権を
はじめとして企業の利益とぶつかりあう現状を指摘し、誰でも自由に誰かの
映像を利用して自分の表現が行えるようなクリエイティブ・コモン/アーカ
イブの必要性について述べられた。
 コメンテーターの草原真知子氏(早稲田大学)は、エレクトロニック・カ
フェとなどの具体的な事例を数多く紹介しつつ、ダム氏の活動をメディア・
アート史に位置付け、社会におけるメディア・アーティストの役割について
述べられた。また、小川は、ダム氏の普通の人々へのあたたかなまなざしと、
そうした人々のコミュニケーションを「メディア」という道具を使って作り
出してみせる「アートの力」について、地域メディアをはじめとしたメディ
ア研究や現地の実践に生かせるのではないかとの提言を行った。
 ダム氏は、日本の携帯電話にも大変興味をお持ちで、その600ページにも
及ぶ取扱説明書をかざしながら、「これはすでに電話を超えた一つの新しい
表現を生みだしうるメディアだ」と、FOMA用の手作り三脚やFOMAオリジ
ナル映像作品(?)を公開。「人々が気づかないメディア表現の可能性を描
いてみせることがアーティストの役割」とのことばをその場で実現して見せ
てくれた。研究会終了後も、彼のもとにはそのユニークな実践に関して、
ひっきりなしに参加者が訪れていた。

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